引退したね。
「私の土俵人生、一片の悔いもありません」
と会見で述べたらしいけど、なんだかこの言葉に尽きるなあといった印象。
もしこの言葉が本心なのだとしたら、もうとっくに辞める心算はできていたのだと思う。初場所に出場し3連敗して、引退を決めて、それで悔いがないって言えるもの?横綱になってから一回しか優勝してないのに、そのほとんどを休場してしまったのに、悔いがないってどういうことなんだろう。この人は横綱になった時点でもう終わってたのかもしれないね。もともと日本出身横綱が長い間不在だったから、強引に横綱にしてもらった感があったし、横綱になったと同時にある意味達成感を得てしまって、近い将来引退するだろうみたいなものが本人の中にあったのかもしれない。
そもそも悔いのない人生ってある?イチローだってもっと活躍したいって思ってるだろうし、吉田沙保里だって、東京五輪出たかっただろうし、誰だって、もっと活躍したかったとか、もっとやれたとかもっと頑張れたとか、そういう思いがあるものじゃないの?ある程度は満足していても、もっともっと素晴らしい結末があったはず、そこにたどり着けなかったのはやっぱり悔いが残るっていうのが人間らしい思考だと思うんだけど、みんなは違うのかな。
逆にこの言葉が本当は悔いが残っているけど、そんなことを引退会見で話すのは格好が悪いから、悔いなしと言い切って辞めたいという思いからのこの発言をしたのだとしたら、それはそれで器の小ささしか感じない。気持ちは理解できるけど、その程度の気概では横綱の重みには耐えられないよ。横綱としての2年間が稀勢の里自身をよく表してるということになると思う。
なんていうかねえ、せいじはアイドルなんだよね。周りに何て言われようとアイドルなんだよね。稀勢の里より全然努力も根性も足りてないとは思うけど、アイドルなの。慣習なんか無視して、15日間意地でも出場し続ける稀勢の里が見たかった。