山田洋次監督。
黒木華がベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を獲得した作品。
WOWOWでやってたから見た。
せいじ、いわゆるハリウッドの娯楽大作っぽいのが好きなんだけど、
機会があると邦画も見る。
まあ、見る作品はだいたい出演者で決める。
よく見るのは、
妻夫木聡と山田孝之かな。
「小さいおうち」には妻夫木くんが出演。
主演は松たか子だが、
完全に黒木華だった。
あらすじとしては、
現代の黒木華演じるタキが、
自叙伝を書き、
大甥の妻夫木くん演じる健史と、過去を振り返るというもの。
もちろん黒木華は過去のタキであり、
松たか子はタキが女中として務めた、
小さいおうちの奥様である時子を演じている。
これは戦後なのかと錯覚するような表現があり、
不思議に思ったが、作中、健史も疑問に思っていたようで、
狙っての表現だったようだ。
少し調べてみると、
実際、戦争が始まった直後には、
景気の活性を感じた職種もあったようだ。
本編は淡々とした展開にもかかわらず、
2時間20分弱があっという間に感じた。
こちらの感情が大きく揺さぶられることはないが、
すごく惹きつけられる作品だった。
終盤、小さいおうちが空襲で焼けるシーンの、
現実感のなさ。
おもちゃのような表現。
そこにかぶさる何者かの悲鳴。
唐突であることが、
唐突に表現されていて、
かなしみを感じる瞬間を与えてはくれないが、
心が苦しくなるシーンだった。
松たか子の恋する演技は非常に好きだ。
張り裂けそうな緊張感が凄く好きだ。
タキはおそらく、時子に恋していたのだろう。
だからこそ、何十年もの間、
鮮明に罪の意識を背負っていたのだと思う。
すごくせつない恋愛映画だった。
見ても損はしない作品!
むしろ見た方がいい作品!
85点!