色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年


を、読みきった。
村上春樹は初めて。

半年ぐらい前に借りてたのかな?
最初の100ページぐらいを読んで、必要性を感じない大げさな比喩表現と、おしゃれ過ぎてドン引きレベルの会話のオンパレードで、話の続きは気になるものの、ちょっと部屋の片隅に置かれてしまっていたものを、再びひっぱりだし、昨晩一気に読んだ。
読み終えた最初の感想はなんだかもやっとする。

ざっくりあらすじを述べる。タイトルにある通り多崎つくるが主人公。高校時代の多崎を含めた男女5人組の仲良しグループがあったんだけど、大学進学後、一人東京に出た多崎に、理由が全く分からいまま唐突にその仲良しグループから電話で絶縁宣言されて、ショックで死にそうになったけど、なんか人間って意外と死ななよねって感じでぎりぎり立ち直りつつ、偶然、たぶんゲイの大学の後輩と仲良くなり生気を取り戻した矢先、超回りくどいオカルト的なカミングアウト話を後輩にされたんだけど、多崎は回りくどすぎて何が言いたかったか全くわからず、その後の出来事も夢かなって感じでスルーしたら、後輩はショックでいなくなって、そこでまた、多崎もショックをうけたけど、まあその後の大学生活をこなし、なんだかんだ小さいときからなりたかった駅舎関係の仕事について、ちょっと心の引っ掛かりを抱えたまま30代半ばになった今の自分がいるよって言う話を恵比寿のバーでたまたま知り合って、現在いい感じになりつつある彼女に話したら、彼女が超食いついて、絶縁理由調べるしかないよーって言うから、いろいろ調べて真実の大筋をつかんで、解決した気分になり、彼女に結婚を申し込むぞ!っていうところで終わるお話。で、書かれてないけど(書かれていることから推測できるので書かれているということか?)、すべての黒幕は恵比寿で知り合った彼女でしたよ~、しかも結婚話を切り出す予定の日に、知ったら今度こそ死んでしまうぐらいショックを受ける真実全部話しちゃうよ~っていう感じ。

まあ最後のは最初読んでそこまで読み解けなかったんだけど、色々解説サイトがあったのでちらちらと読んで理解。なので最後の方の解釈が本当に正しいかどうかは作者のみぞ知るっていう感じだけど、まあだいたいあってるはず。

でもねえ、とりあえず、小説ってこんな分かりづらくていいの?気取り過ぎててなにがなんだかっていう感じ。同じテーマ同じメッセージ性をもっとシンプルに表現できないものなのかなあ。でもそうすると、さっぱりしすぎたものになって面白味が薄れちゃうのかなあ。そんなことはないよねえ。っていうか、この小説を深くまでしっかり理解できる人って本当に限られているよね。100万部売れる本でこれをするのは良くないんじゃないかなあ。村上春樹が何をかくのも自由だけど、編集者がマーケティングだけで100万部売ってしまうからこそ、こういうずれが出てくるんだろうなあ。こういうのが好きな人にとってはたまらない感じなんだろうけど、なんとなく読んでしまった人たちにとっては娯楽を感じることができないと思う。エンターテイメントって微妙な世界だ。

とりあえず、せいじも早く小説書こう。目指せノーベル文学賞!(*’▽’)!